就業規則

■就業規則

就業規則は社長の想いを形にするためのツール

就業規則と聞くと、「従業員を10人以上雇っている場合は作成しなければいけないもの」というイメージが強いのではないでしょうか。


確かに、労働基準法によって常時従業員を10名雇っている会社は就業規則を作成して、労働基準監督署に届け出る義務があります。


「作成しなければならない」、「義務」・・・。


就業規則にそのようなイメージを持ったままでいるのは、もったいないことです。


就業規則とは、「会社のルール」と言われるとおり、社長がこの会社をどんな会社にしたいのかという想いから作るべきものだと私は思います。


そして、「どんな従業員を採用した方がよいのか」、「どのような働き方をしてほしいのか」、「どのような心構えで行動してほしいのか」などを具体的にルール化していくことにより、社長の想いが形になっていきます。

就業規則は労使トラブルを予防するためのツール

労使トラブルが発生するパターンは、ある事柄に対する明確なルールがないことにより、労使の考え方に食い違いが生じることが原因となる場合が多いです。


もし、会社が明確なルールを決めておけば従業員と考え方に食い違いが生じることは少なくなり、労使トラブルが減るだけでなく、従業員も会社の考えがわかり、行動しやすいのではないでしょうか。


例えば、従業員が業務外の怪我のために休職する場合に、就業規則に


「休職期間は6ヶ月とする。休職期間の満了までに復職できない場合は自然退職とする。」


といった規定があれば、もし従業員が休職期間満了までに復職できない場合は、そのまま退職してもらうということになります。


しかし、上記のような規定がない場合に、従業員が休職期間中に復職することができず、どうしても会社を辞めたくないときにはトラブルに発展する可能性がでてくることになります。


一方、従業員にとっても、あらかじめ6ヶ月という期限が明確である方が計画を立てやすいのではないでしょうか。

就業規則は従業員を守るためのツール

例えば、会社内で同僚にパワハラをする従業員がいる場合に、就業規則がなく、懲戒規定や解雇規定がない場合はパワハラ従業員を解雇することができず、その他の従業員がずっとパワハラを受けることになります。


そのパワハラ従業員が在籍する限りは、当然、社内の雰囲気も最悪になるため業績は落ち、従業員は次第に辞めていくなど、会社の存続に関わる事態にまで発展する可能性があります。


しかし、就業規則を作成し、懲戒規定や解雇規定を設けておくことにより、その従業員に反省を促し、場合によっては解雇をすることができます。


このように就業規則は、会社と従業員双方を守る大切なツールとなり得るものです。

公的助成金を申請する際に必要となる場合があります

雇用関係助成金を受給するための要件として、就業規則が必要となることがあります。

就業規則とは

以上のように、就業規則は「法律で作成義務があるから作らなければいけないもの」という消極的な捉え方ではもったいないと思います。


就業規則を作成することは、社長の想いを形にするためであり、その想いのもとに一緒に働いてくれる従業員を守るための大切な資源を持つことと同義ではないでしょうか。